「世界一周なんかしたくない!」
私たち夫婦の世界一周の旅は妻さんのこんな言葉から始まった。
言い出しっぺは私からだった。
大学生の頃、ふらっと立ち寄った雑貨屋で出会った本がきっかけだった。
世界一周、、、その響きがなんかとてつもなくかっこいいと思った。
すぐにその本を買って帰りの電車の中で貪るように読んだ。
今までロクに海外に行ったことが無い私の頭の中に、いきなり世界一周という言葉が入ってきた。
それは強烈に頭の中にインプットされた。
今でも後悔していることがある
「大学中になぜ行かなかったんだ?」
世界一周という言葉を知ってから、頭の片隅にはいつもその言葉があった。
「いつかはいきたいな。」
漠然とした想いだけがいつもあった。
大学の頃は勉強とバイトと時々顔を出すサークルで終わってしまった。
そしてそのまま世の中の流れに流されるように
社会人になった。
社会人生活はなかなか怒涛だった。
あまりの忙しさに睡眠時間がまったくとれず
1ヶ月の間に車で3回も事故を起こしたこともあった。
でも、同期や先輩たちに恵まれていたこともあって仕事はとても楽しかった。
段々と任されていく仕事も増え、自分を信用してくれるクライアントも増えていった。
とても充実していた。
けど、たまに心の声が聞こえてきた。
「いつかはいきたいな。」
ある時、世の中には絶景ブームというのが来ていた。
死ぬまでに見たい世界の絶景
一生に一度は訪れるべき絶景
TVや雑誌、キュレーションサイトなどの色々なメディアでこれらのワードが日夜踊っていた。
そして社会人生活ももう10年目に入ろうというところ
私の年齢はもう32歳になっていた。
これぐらいの年齢になってくると嫌でも意識することがある。
結婚、家を買う、転職、独立、、、、
色々な事が頭をよぎっていた。
当時付き合っていた彼女(今の妻さん)とはあまりこういった真面目な話をしてこなかった。
ただ、前に一度、随分と前だけどふとした時に聞いてみたことがある。
「世界一周とか面白そうじゃない?」
彼女の返事はこうだった。
「世界一周なんかしたくない!」
妻さんは虫や汚いところが嫌いだ。
「世界一周1人で行ってくれば?」
だからこの人と世界一周にいくことは無理なんだろうなと漠然と思っていた。
でも私は行くならこの人と行きたいと思っていた。
私が好きな映画の中にこういうセリフがある。
「Happiness only real when shared」
(幸せは、分かち合う時に本物になる)
1人旅ももちろん楽しいだろう
でも結婚しておじいちゃんとおばあちゃんになった時に、
そのパートナーと一生語り合える想い出があったら
道端を歩いている時、交差点で止まっている時
カフェにいるとき、カレーのニオイを嗅いだ時
そんなふとした時に
あの国のあの場面を一緒に思い出すことができたなら
それはすごい幸せなことなんじゃないかと思っていた。
社会人10年目、年齢32歳
何を始めるにも遅すぎることなんてない!
なんて言葉を良く聞くけど
大きく舵を切るなら今が最後かもしれない、、、
とても焦っていた。
だから私は決断した。
今まで、周りの空気に流されて曖昧にしていた
ことに区切りを付けていこう。
そこからは怒涛の月日だった
今までずっと勤めていた会社を辞め、
妻さんの両親に挨拶をして籍をいれた。
親の立場で考えれば、
コイツ結婚したいけど無職になるとか何言ってんだ?
と思われたに違いない
簡単なものではあるが
世界一周の企画書を書いて、その時に渡したりもした。
そうして何とか
一緒に世界一周に行かせてもらえることになった。
妻さんにもう一度
世界一周の話をするのが正直怖かった。
断られたらどちらか選ばなければいけなかったから
妻さんと別れて自分のやりたいことをしに行くか
妻さんと一緒にいられるけどやりたいことが出来ないか
この勝負に勝つために、実は色々と仕込んでいたんだけど
それはまたどこか別の時に。
こうして私たち夫婦は2016年6月27日、無事に世界一周の旅に出発できることになった。
もちろんはじめは何もわからなかった
そもそも私たちはこれまでにあまり海外旅行に行ったことがなかったし
1年間も日本を離れるなんて初めてだった。
海外転出届?
海外旅行保険?
西周り?東周り?
陸路で国境越え?
24時間のバス?
国際運転免許証?
パスポート増刷?
スカイスキャナー?カウチサーフィン?
狂犬病、黄熱、、、予防接種?
スリ、強盗、、、殺人、、、?
不安は数えだしたらきりがなかった。
だから色々な本を買い漁って読んだ
たくさんの旅人のブログも参考にした
わからないことはその都度ネットで調べまくった
でも知れば知るほど不安なことが出てくるのも事実だった。
実際にその場所に行ってもいないのに
細かいことを知ろうと思うのは不可能だった。
もう決めるしか無い。
日本出国の航空券を予約した時はかなりドキドキしたのを覚えている。
あーここから始まるんだなおれらの世界一周は。
最初の国はインドネシアからだった。
最初の国というのはとても印象に残る。
今でも鮮明に覚えている落ち武者おやじ。今はどうしてるのかな。
世界一周中、多かれ少なかれトラブルはかならず起きるだろうとは覚悟していたけど
それがまさかこんな序盤から起るとは思わなかった。
出発して2週間、、、妻さんがまさかのデング熱にかかってしまった。
蚊を媒介として感染する有名な病気
日本ではほとんどかからない病気
正直、、、もう旅の続行は無理かとさえ思ったが
妻さんは頑張ってくれた。
2カ国目シンガポール
実際に訪れてみないとわからいことがある。マーライオンは意外と立派だった。
3カ国目マレーシア
ツインタワーの片方はちょっと傾いている、、、そんな噂が妙に気になった。
4カ国目タイ
初めて旅友達が出来た国。コムローイ祭りは言葉で言い表せないほど幻想的だった。
5カ国目カンボジア
辛い歴史を抱えている国。負の遺産から学ぶことは多かった。
6カ国目ベトナム
コーヒーの甘さとフォーのヘルシーさに翻弄された国。
7カ国目ラオス
ここは、、、驚くほど活気が感じられなかった、、、
8カ国目ミャンマー
まるでRPGの世界に迷い込んだような錯覚に落ちた。
9カ国目ドバイ
無理やり巻かれたターバンは、、、まったく似合っていなかった。
10カ国目チェコ
初めてのヨーロッパ。その街並みの美しさに感動さえ覚えた。
12カ国目オランダ
昔からの友人に海外生活の大変さと楽しさを教えてもらった。
15カ国目ポルトガル
世界遺産の街で最高に美しい夕陽をみることができた。
もちろん毎日が楽しかったわけじゃなかった。
お互いのやりたい事や体力が合わなくてケンカしたこともしょっちゅうだった。
ケンカしてしまうと、どれだけ美しい景色をみても、どれだけ美味しい物を食べていても
まったく何も感じなかった。
こんな旅、してて意味あるのか・・・。
そう思ったことも何回かあった。
行きたかったあの国に行けない、行きたかったあの場所に行けない。
その悔しさも当然あった。
おれはなんで世界一周してるんだろう?
と思ったこともあった。
本気で帰ろうと思ったことが一度あった。
それは16カ国目のモロッコを終えてスペインのマドリードに戻ってきたときだ。
実は私たちの旅は当初想定していたルートから大幅に変わっている。
インドとアフリカ大陸は、この旅の中でも私がかなり行きたかった場所だったが、
結果一部の国しか行けなかった。
こうなってしまった理由は色々あった。
もちろん都度ちゃんと話し合いもしていた。
でも納得がいかなかった。
色々なストレスが重なって、やる気が無くなってしまった。
世界一周はもちろんタダでは行けない。それなりに費用も時間も手間もかかる。
それらをかけてまで行く価値があるのだろうか?
行きたいところに行けなくても続ける価値が本当にあるのだろうか?
思っていたような旅ができないことが苦しかった。
その分の費用やお金、時間があるなら何か他のことにチャレンジできるんじゃないのか?
幾度となくそんなことを思っていた。
でも、世界一周を終えた後の感情は世界一周を終えた人にしかわからない。
その気持を知りたかった。
だから続けることにした。
もう一度気持ちを入れ直して旅を続けようと思った。
行けないところがあるから何だ。
行けなかったら帰国してからもう一度行けばいいじゃないか。
人生は一度だけれど、旅は別に一度だけじゃない。
そう自分に言い聞かせて旅を続けた。
17カ国目アイスランド
諦めかけていた矢先に現れたオーロラ。
18カ国目リトアニア
予定になかった国を訪れてみたりもした。
20カ国目ハンガリー
旅先で出会った人と夜中まで飲み歩いたりもした。
22カ国目ペルー
帰国してからも会いたい友人に出会うことができた。
25カ国目アルゼンチン
たまに体調を崩して1人でツアーに参加することがあっても
自分とはまったく違う人生を歩んでる人たちとも出会うことができた。
そして2017年6月、アメリカNYから成田空港に到着して
私たち夫婦の約1年間の世界一周の旅が終わった。
夢がひとつかなった瞬間だった。
一生分の絶景を見ることができた
通常の海外旅行では行かないようなマニアックな場所にも行くことができた
世界各国の伝統料理も食べられて、世界各国のビールも飲んだ
日本で普通に生活していたら出会えないような魅力的な人たちにもたくさん出会えた
人は一生のうちに何回感動できるんだろう?
その数はわからないけど
私たちはこの旅の中でたくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん怒鳴り合って
たくさん感動した。
この旅は間違いなく一生の宝ものになる
そう思える旅になった。
たまに世界一周なんてカッコイイね!と言われることがある。
私も実際に行く前はカッコイイと思っていた。
でも行ってみると実はそんなに大袈裟なことじゃないことに気がついた。
私たちの年齢だと他にもカッコイイ人はたくさんいる。
仕事で成果を出しまくっている人
子育てを頑張っている人
家や車を買った人
社会のためになる活動をしている人
みんなカッコイイしめっちゃ羨ましい。
今の時代、世界一周なんて誰でもできる。
困ったらネットに繋げば答えは出てくるし
なにも今まで誰もやったことが無い前人未到のことをやるわけではない。
ちょっとのお金と覚悟と時間さえあれば誰でもできる。
いつかは世界一周にいってみたい
そう思っている人は多いと思う。
昔の自分もそうだったから。
でも実際に行く人は何人いるんだろう。
実際に行動する人はどれくらいいるんだろう。
もし昔の自分に伝えられることがあるなら
こう伝えてあげたい
世界一周なんてサクッと行っちゃいなよ?
大学生の頃に悩んでいた自分に。
社会人になって時間に追われていた自分に。
そう言ってやりたい。
世界一周に行く前は
世界一周をしたら人生が変わると思っていた。
でもそんなことはまったくなかった。
人生という大袈裟なものがそうそう変わるわけはなかった。
変わったものはなかったが、気がついたことはあった。
それは”時間の大切さ”だった。
そんなこと当たり前だろと笑われるかもしれない。
けど、この旅に出る前の私はそれがわかってなかった。
流されるように社会人になって、みんなと同じように働いて、残業していた。
行きたかった世界一周もなかなか踏み出すことができなかった。
時間をちゃんと自分のために使えていなかった。
今をきちんと楽しめなかったらすごくもったいない
そう思えるようになった。
これからはやりたい事をやりたい時にできる人生にしていきたい。
時間や場所や物や人に囚われすぎないライフスタイルを作っていきたい。
そう本気で思った。
世界一周をしたら人生が変わるのか?
答えはこうだ。
世界一周をしただけでは人生は変わらない。
大切なのは”その後”に何をやっていくか。
自分にちゃんと言い聞かせました。
最後に。
こんな長ったらしい文章を最後まで読んでいただいてありがとうございました!
いつかは世界一周に行ってみたいと思っている人がいたら、悩んでないで何でも相談してください!
不安なことやわからないことは山ほどあると思います。
大抵はネットで調べれば答えは出てきます。
でもそれを1つ1つ調べていたら時間がいくらあっても足りません。
それに、ネットばかり見ていると見たくもない余計な不安事も引っ張ってきてしまったりして
ネガティブな気分になることもあると思います。
ネットの中の情報は時に真実で、時に過剰です。
せっかくのその”行きたい”という気分を大切にしてください!
また、世界一周だけに限らずこんなことで悩んでいる人、こんな事を目指している人の
相談にものれます!
●夫婦で旅をしたいと思っている人
●世界一周とまでは言わないけどアジア周遊とかしてみたいと思っている人
●1人旅にチャレンジしたいと思っている人
●いい加減、旅行会社のツアーに頼らない旅行をしたいと思っている人
旅をするにあたっての各種必要な役所の手続き、本当に必要な持ち物、絶対に持っていったほうが良い持ち物、旅のルート、現地での格安SIMカードの買い方、便利なアプリ、格安航空券の取り方、宿の取り方、現地ツアーの申込方法、帰国後の面倒な手続き、旅先の治安、オススメの場所、最低限必要な英語力といった具体的なことから、私たちが結構ずっと不安だった「現地に着いてからまず何をすればいいんだろう?」といった不安事まで何でも相談していただけます。
連絡方法:このブログやFacebookにコメントやメッセージをください。
訪問場所:東京都内(カフェでも公園でも!)
相談人数:1名でも2名でも複数でも大丈夫です
相談形式:質問者の相談にのります
相談時間:1時間くらい
相談費用:無料ですがカフェであればカフェ代をご馳走ください。
相談のご連絡お待ちしてます\(^o^)/
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